心の健康を保つ⑪ 未来に不安を感じてしまった時には

心の健康を保つ⑪ 未来に不安を感じてしまった時には

こんにちは。いい病院ネットです。

アメリカでは、トランプ大統領が誕生し、韓国では政情不安定な状態となっています。また、日本では地震をはじめ、自然災害で被害にあった人たちの情報や、高齢者が75歳かららと定義されたら年金支給年齢も75歳に引き上げられるのではないかという憶測も流れています。

そんな現状の中で、自分の今後や将来設計に、急な不安を感じて、苦しくなることはありませんか?

多くの方は、テレビやニュースを見た後は不安に感じるけれど、すぐに日常の忙しさに紛れ優先順位が落ちてしまう人や、自分でできる範囲の準備をすることで精神的な安定を図る人もいます。

ですが、自分の未来に不安を感じて、仕事に手がつかなくなってしまったり、将来を悲観して気持ちが沈んでしまっては、生活に支障が出てしまうことになります。今回は、自分の未来に不安を感じてしまったときの対処法についてご説明します。

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未来に不安を感じてしまった時には

■まずは、落ち着く

不安は、急にあなたの心を占領しがちです。ですが、不安は、形が見えると急速に怖くなくなる性質があります。

まずは、自分の将来に不安を感じ、落ち着かなくなった時には、まずは「息を吐いて」自分をコントロールします。呼吸を吐くことで、一歩先の未来をコントロールできた自分がそこにいますので、まずは落ち着いて不安に自分を占領されないように心がけます。

■将来の何に不安を感じるのかを考える

急な将来の不安を感じた時には、何が不安なのかを明確にすることが大切です。漠然とした不安は、次々とネガティブな思考や感情を呼び起こしてしまいます。まずは、あなたの心を支配した不安が何かを考えます。

不安にも、いろいろな種類があります。仕事や対人関関係の不安、お金などの経済的な不安、育児や介護に関する不安、病気への不安、老いや死についての不安など、今現実に直面している問題から発した不安もありますし、テレビなどの情報がインプットされて将来にたまらない不安が感じることもあります。まずは、何が不安なのかを、文字に書いたり、言葉にしたりすることが、気持ちを整理することにもつながります。

■今、考えても仕方がないことは考えない

自分が不安に感じたことを文字にした後は、今すぐ考えて対処しなければならない問題なのかを考えます。

多くの場合は、今すぐに解決しなくてもよいことが殆どではないかと思います。そのことが分かったら、「今、考えても仕方がないこと」と割り切り、それ以上考えないようにします。

それでは、何も解決しないと思った時には、今できることは何かを考えます。

例えば、今やっている仕事が終わらないのではないかということが、あなたの一番の不安で、そのために気持ちが集中できないとします。

その不安を解消するには、仕事を焦ってやり続けるのではなく、仕事のスケジュールを再確認し、仕事の何が終わらないと感じるのかを「見える化」します。視覚化することで、完了していることも見えますし、やらねばならないことが明確になり、不安だけにとらわれなくなり取り組むべき仕事に集中できるようになります。

不安は、考え続ければ考え続けるほど、違うネガティブな感情も引き起こしてしまいます。例えば、「仕事が終わらない→期日に終わらなかったら上司に怒られる→仕事ができない自分はダメな人間だ」というように、思考がマイナスな方向に飛躍しやすくなります。

不安に感じることがわかったら、今、考えてもしかたがないことは考えを追わずに、今やるべきことに集中するようにします。そして、「今、すべきこと」を終えて、再度書き出した不安のもとを見直して、今後のことを考えるようにします。この時点で、頭が整理されて解決策がひらめくことも往々にしてあります。

■解決に目を向ける

不安を解消するためには、不安を解決することに目を向けるように意識します。その時の注意事項は、「できない」「不可能だ」と考えず、自分だけでできないことは、専門家や周囲の人に相談するという選択肢を必ず入れることです。

例えば、病気に関する不安があるとしたら、その不安が、治療に関することなのか、期間に関することなのか、費用に関することなのか、生活に関することなのかを明確にします。そして、治療に関することであれば、医師や看護師に質問をしたり、同じ病気で悩む方の集まりに参加したり、ネットなどで情報を調べることで解決することができます。

死についての不安が常にある場合には、死生学の勉強会に参加する、自分の不安を他の人に話す、いろいろな体験をした人の本を読むなどことで、自分の気持ちの落としどころが見つかることも多くあります。

経済的問題については、今の経済状況をきちんと見える化したうえで、将来の何に経済的不安を感じているのかなどを明確にし、自分だけで抱え込むのではなく、ファイナンシャルプランナーに相談をしたり、市政だよりなどをチェックして無料相談を受けるなどで不安の解決を図るようにします。

不安は、不安のままでいると、大きく底なしに、あなたを呑み込もうとしますが、不安の中身を見つめ、その具体的な解決案を、自分だけでなく、他の見方ができる人と相談することで、不安は確実に小さくなります。

私も、地震に対する不安が強く、「今、地震になったらどうしよう」「ライフラインが止まって1週間暮らせるだろうか」と考えて不安になり、夜中に動悸がしたことがあります。その時は、「とりあえず今直ぐに地震が来ることは非現実的である」と自分に言い聞かせ、ライフラインが止まった時に必要なことを書き出しました。

そして、「地震が来たら不安なの」と家族と相談し、数日のうちに必要なものを買い出しに行ったり、物の整理をしたり、携帯に地震速報のアプリを入れたりすることで、自分でできることはやったと安心した経験があります。

一人で不安と対決することは、限界がある場合もあります。まずは、急に不安になっても、現実にすぐに何かが起こるはずはないと言い聞かせ、不安に取り込まれないように呼吸を吐いて、何かに集中することが大切です。

まとめ

様々なことがきっかけで、自分の未来に止めどもない不安を感じてしまったら、何が不安なのかを、具体的に考えます。その上で、今考える必要があるかどうかを考え、考える必要がないことについては、自分に言い聞かせ、不安な気持ちから離れるように心がけます。その上で、具体的に不安を解決するために、いろいろな方策を一人ではなく、誰かの知恵や情報を用いて解決案をいくつか考えるようにします。

それでも、不安にとらわれそうになったら、家族の写真やお守り、ぬいぐるみなどの確実で形のあるものを抱きしめる、音楽や本を読む、運動を始めるなど、気持ちの取り込まれないための方法を試してください。その時、大切なことは、「今、ある自分」がとった行動に気持ちを向けること。今ある現実よりも強いものはないので、不安は遠くに押しやられ、気持ちが楽になります。試してみてください。

ライター:村松真実(メンタルコーチ・カウンセラー)

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