在宅医療のこと、もっとよく知ろう!⑧

在宅医療のこと、もっとよく知ろう!⑧

こんにちは。いい病院ネットです。

「在宅医療のこと、もっとよく知ろう!」8回目になります。もしあなたが長期療養は自宅で過ごしたいと思って考えているなら、地域でかかりつけ医になってくれる医師は決まっていますか?今回はかかりつけ医や在宅医を持つことの利点についてご説明します。

『かかりつけ医を持つことの利点』
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■かかりつけ医はホームドクター

かかりつけ医はホームドクターでもあります。ひとつの疾患をみるというよりも、その患者さんのお体全体を把握する役割を担います。そのため、いくつかの病院をかかり、処方されていた方が、在宅診療を希望された時は、かかりつけ医に相談して、可能な限り処方を1つにしてもらうことになります。

ただし、安定していないご病気や、一般的に知られていない難病で定期的に大きな病院で診察が必要な場合には、お薬の処方はその病院医師から出してもらうことは可能です。

日本人は、他の医師に受診した話を、目の前にいる医師に話すことが苦手な方が多いように感じます。けれど、自分の体を知ってもらうことが、自分を守ることにもつながります。ホームドクターであるかかりつけ医と、定期的に受診する必要がある病気を診てもらう専門医がいるのは、少しも隠すことではありませんし、一つに決められない場合もあります。体調と病状に合わせて、両方の医師に相談しながら、自分が過ごしやすい生活が送れるように考えて欲しいと思います。

■病状に応じて、診察回数は相談を

病院から退院した直後に訪問診察を依頼する時は、体力が低下し、環境の変化で病状が変化しやすい時期です。また、在宅介護を始めたばかりの家族の方が、頑張りすぎで疲れてしまって「これでは困る」と慌ててしまう時期でもあります。

病院でも退院調整を行っている部門は依然よりもしっかりとしてきていますが、まだ、地域の状況や担当者の質によって、サービス提供が適切でないまま在宅に戻らざるを得ないこともあります。また、在宅に帰って初めて“こんなこと聞いてなかった”ことにも遭遇します。

退院した後は、家族の心理的負担を軽くする意味でも、訪問診察の回数は手厚い方が良いと思います。また、ケアマネージャーを決めて、介護と看護、リハビリの介入を医師と相談しながら決めることも良いと思います。医師の診察だけでは、不足するケアを早めに介入してもらうことで、回復も早くなります。

ある程度、在宅の生活に馴染むと、もちろん病気の状況にもよりますが、生活の安定と共に体調も安定してくることも多くあります。在宅には、やはり“自宅を楽しむ”というパワーがあります。退院後は殆ど寝たきりだった方が、生活の音を聴き、自分のペースでトイレに行けるようになったり、家族と過ごす時間を得るために座る時間が長くなったりすることは良くあることです。

そんな時、遠慮なく診察の回数を2週間に1回まで減らしていくことも良いと思います。
必要に応じて、診察回数を長くしてもらったり、逆に早めにきてもらったりを、在宅医に遠慮なく言える関係になることも、在宅診療を受けるコツの一つになります。

■急な入院に対応しやすい

在宅診療を受ける、かかりつけ医を持つことは、体調が変化した時に、連携している病院に入院できることも利点の一つです。

もちろん、自宅で具合が悪くなって自分達で救急車を呼ぶこともできますが、その場合かかりつけでないために、すぐには搬送先が見つからないこともあります。

また、焦っている家族の方が、病状を説明することは、相手にうまく伝わらず嫌な思いをされることもあります。

そんな切ない思いを避けるために、在宅医やかかりつけ医を決めておくことが大切です。多くの在宅医は、入院施設を持っていないため、連携病院や施設を確保しています。直接診察に行けない時でも、病院に連絡してベッドを確保するなどの手順を取ってくれます。

私も以前、病院で在宅支援を行っていた時期があります。その時、在宅医から直接、患者さんの受け入れについて電話を受けることがありました。在宅医にとって、在宅で診察している患者さんへの思いは強いものがあり、ベッドを確保するまで何度も連絡を受けました。

在宅医が連携している病院が嫌だ、施設に入りたくないと思うこともあると思います。けれど在宅医が連携している病院・施設は、在宅医がそのまま病院・施設で患者さんを診察することもできることが多いのです。体調が安定すれば、在宅医がそのまま自宅でみることになるため、患者さんやご家族の方は、色々と説明する手間を省くことにもなります。

■訪問医とかかりつけ薬局

訪問診察を開始した時、在宅医からかかりつけ薬局を勧められることもあります。以前から決まった薬局があるなら変える必要はありません。

けれど、今までの薬局が遠い、特に薬局を決めていない時は、在宅医の勧める薬局を利用するのを検討するのも良いと思います。それは、医師と連携できているため、医師と薬剤師との確認がスムーズなこと、デリバリーサービスがある場合が多いことが理由です。

在宅介護をするということは、家族が思う以上に時間を拘束されることでもあります。薬を取りに行く、薬局で薬剤師と医師との確認のために待たされる、普段であれば大した時間ではないのですが、疲れている時や患者さんを一人で家に残して来ている時は、その時間がイライラにつながることもあります。

すぐに即答する必要はないですし、自分達が利用しやすい薬局を選ぶコトができれば、それが良いと思います。けれど、もし、決まっていない場合には、一度薬局を利用してみてから決めるのも良いのではないかと思います。

薬剤師さんとも相性があります。最終的には、自分達が使いやすく気持ちよく付き合える薬局を選んでくださいね!我慢しない、これが一番です。

まとめ

いかがでしたでしょうか?かかりつけ医や在宅医を持つことは、地域に根付く医療を受けることでもあります。そのため、薬局や訪問看護ステーションなども、在宅医が顔を知っている場所を紹介する場合が多くなります。“先生に勧められたから使わないといけない”と考える必要はありませんが、ご自分達が使いやすく居心地の良いサービスや人とのつながりを利用して欲しいと思います。

ライター:村松まみ

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