在宅医療のこと、もっとよく知ろう!②

在宅医療のこと、もっとよく知ろう!②

こんにちは。いい病院ネットです。

前回の『在宅医療のこと、もっとよく知ろう①』に続きまして、
今回は、在宅医療は、誰が行っているのか、どんな職種が関わっているのかを
中心にご説明していきたいと思います。

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■在宅医療は誰が行うの?

在宅診療を行うのは、医師になりますが、医療を行うとなると、様々な職種が関わることになります。病院でも、医師の指示の元で、看護師・薬剤師・理学療法士などが、患者さんのケアや指導を行っていますよね。それと同じことが、在宅医療でも行われています。

ただ、違うことは、治療やケアなどを受ける場所が自宅であること、関わる看護師・薬剤師・理学療法士が、必ずしも在宅診療を行っている医師と同じ施設とは限らないことです。

例えば、私がお邪魔しているクリニックでは、クリニックの看護師が訪問診察に付き添って訪問看護を行っています。しかし、その患者さんは、別の訪問看護ステーションからも、訪問看護を受けたり、理学療法を受けたりもしています。

また、介護保険を使用している方であれば、ケアマネージャ-がその方の介護度と、ご本人・家族の希望に配慮しながらケアプランを立て、使える資源(訪問看護や介護)の計画を立案し、調整しています。

このように、在宅介護を含めると、更に在宅で療養中の患者さんに関わる職種は、思いのほか沢山いるのです。その多くの職種が、同じ患者さんとご家族の方に関わるため、情報の行き違いや方向性のずれが生じないように、電話連絡やカンファレンスを持って、話し合いを行っています。

■好きな医師、看護師を選べるのですか?

在宅医療を受けることに関しては、医師も行動範囲が決まっていますので、「この先生がいい!」と言っても、往診の範囲が遠すぎると受けることは難しくなります。それは、緊急対応ができないことや、他に診察を受けたい方のニーズが満たせなくなってしまうからです。

訪問看護ステーションや訪問介護に関しても、訪問できる範囲や、受けられる人数のキャパシティーがあります。訪問診療や看護に携わる方は、患者さんのために頑張ろうという意欲が高い方が多いですが、慢性的な人手不足のため、希望が叶わないこともあります。

「お金を払っているんだから、好きなスタッフに来てほしい」と思う方もおられるかも知れません。しかし、担当が決まっている看護ステーションもありますが、交替で訪問しているステーションもあります。

また、医療も介護も、全額を利用者が負担しているわけではなく、特に医療の場合は、行う処置等で専門知識が必要な場合もあるので、えり好みで看護師などを選ぶことが続くと、訪問診察や看護をお断りすることもあります。勿論、医療者側のケアに不足がある、態度がひどいなどについては、きちんと伝え、双方に誤解が生じないようにして行きましょう。

これは、医療を提供する側から見ると、場所が自宅になったというだけで、病院でも迷惑行為を行えば退院をしてもらうことと同じ考え方になります。在宅医療を受ける時は、このことを忘れずにおくことが、大切なのかも知れません。

■いつでも、来てくれるのですか?

訪問医療を受ける時に、チェックして欲しいことは、24時間対応かどうかです。在宅医療は、まだまだ人手不足のため、電話対応は24時間でも、訪問は夜間行っていない場所もあります。医師についても同じです。

24時間対応であれば、急に熱が出て意識がはっきりしない、いつもと違うなどの急な変化が起こった時は、看護師か医師が訪問します。けれど、「不安なの……」というだけであれば、電話で話しをするだけで解決することに関しては、主に訪問看護師が対応することが多くなります。

また、臨時で訪問を依頼した場合には、その分の料金が発生します。病院では、夜勤手当などは入院加算などに組み込まれて判りにくいですが、在胎は、すべて、見える形での契約として料金がかかります。

そのため、退院直後や病状が不安定の場合には、電話連絡や訪問回数が多くなりますが、状態が安定してきたり、終末期で徐々に看取りの時期に差し掛かってきたりした場合には、どんな時に訪問を依頼した方が良いかを、医師や看護師が繰り返し説明し、本人や家族の不安を少なくしていきます。

在宅医療の良さは、住み慣れた場所で、必要に応じた医療を受けられることです。その良さを最大限に活かすには、ある程度の心づもりを、在宅医療や看護を受ける患者酸やご家族自身がしていくことが大切になります。

在宅医療を受けたい、受けることを決めた時、まずは、沢山の職種が、知恵を出し合って在宅医療を展開していくことを受けとめて欲しいと思います。

訪問医一人では、守備範囲が広くなり過ぎ、患者さんやご家族にとって十分な医療やケアが提供できません。そのために、訪問看護師や薬剤師、理学療法士などが関わっていきます。これは、病院で入院していても、クリニックなどに通院していても同じ仕組みです。

そのスタッフの関わりが、症状が安定している時は、「必要ない」と感じてしまうかも知れません。けれど、患者さんの状態が悪くなってから急に、関係性が構築されていないスタッフと関わることが、患者さんの不安を引き起こす可能性もあります。

家に人が沢山来ることの煩わしさがあるかも知れませんが、「先生が来てくれればそれで良い」と、他の職種をシャットアウトせず、訪問医や看護師から十分に話を聴いた上で、必要なケアは取り入れ、できるだけ多くの人に支えてもらいながら、在宅医療を長く受けて欲しいと思います。

まとめ

いかがでしたか?今回は、在宅医療に関わる職種と、受け入れる際に心構えについて説明しました。参考になりましたでしょうか。次回は、在宅医療を受ける上での準備などを説明したいと思います。宜しくお願い致します。

ライター:村松まみ

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