心の健康を保つ⑥【「べき」をやめてみませんか?】

心の健康を保つ⑥【「べき」をやめてみませんか?】

こんにちは。いい病院ネットです。

あなたは、仕事や人間関係の中で、息苦しさや居心地の悪さを感じていませんか?もしかしたら、あなたの中にある「べき」が、原因かもしれません。いつの間にか、あなたの心の外側に高い壁をつくっている「べき」に気が付き、壊すことで、今以上に生きやすくなるかもしれません。

【「べき」をやめてみませんか?】

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■マイルールに縛られていませんか?

人は誰でも、自分の中の価値観や倫理観が知らずに出来上がっています。それは、あなたの育った家庭環境、教育、友人、会社組織から受けた影響によって作られたものです。そのため、人が集まれば、同意や共感ができる部分もあれば、初めて知る考え方もありますし、受け入れることができないような考え方をする人いると思います。

あなたは、人間関係や仕事で、相手の行動や考え方にイライラすることはありませんか?そのイライラの元にあるのが、自分のべき=マイルールになります。

例えば、「しょっちゅう遅刻をする相手を許せない」とあなたは感じて、相手に怒りをぶつけたとします。ですが、周囲の人は、「そんなに怒らなくても」「理由を聞いてから」など、あなたの怒りに同意を示さないこともあります。そんな時、あなたは更に、怒りを抱いたり反論したりしていませんか?

自分の中にある「べき」の境界がはっきりし過ぎると、あなたも、そして遅刻をした相手や周囲の人も、息苦しさを感じるようになります。なぜなら、「遅刻は悪いことである」とは誰もが理解していることではありますし、約束時間は守るに越したほうが良いですが、遅刻に対する許容範囲は人それぞれです。あなたが許せないほどには、周りは気にしていないことも多いかもしれません。

知らずに身にまとっている「べき=マイルール」が、あなたと周囲の人との関係をギクシャクさせてしまうことや、あなた自身が必要以上に落ち込んでしまうことにもつながります。まずは、自分の価値観や縛られている考え方に気が付くことが大切です。

■関係性は双方向で起こるもの

あなたにとって気になることが、相手にとっても気になることとは限りません。それは、家族や友達の間であっても同じことです。

あなたが、相手の行動を否定したり、拒絶すれば、相手も同じように相手にとってあなたのイヤな行動を否定したり、拒絶することになります。逆に、あなたが必要以上に、相手の言葉を必要以上に重く受け止め自分のこと否定しまうことは、相手も「そんなつもりはなかったのに、付き合いにくい」と思うようになってしまいます。

あなたにはあなたの価値観や考え方があるように、相手には相手の価値観や考え方があります。その価値観や考え方のずれに気が付き、双方向でそのずれを理解しあわなければ、お互いの溝はなかなか埋まらないことになります。

■自分の「べき」と向き合う

あなたの中にはたくさんの価値観や「べき」があります。そのすべてが、あなたを生き辛くさせているわけではありません。ですが、あなたが、いつも人間関係や、仕事上の問題で同じことで躓いていることがあるのなら、表面的な問題だけにとらわれず、「何が、自分の行動や言動をそうさせているのか」を振り返ります。そして、更に突き詰めて考えていくと、自分の中にある「べき」に行き着くことになります。

わたくし事ですが、実は私は「直属の上司」と呼ぶ相手に対し、いつも同じ嫌悪感を抱くことがありました。そのことで、上司との人間関係が悪くなり、自分自身も損をしていました。

そのため、私は、「上司の何に怒りを感じるのか」ということを、じっくりと考えてみたことがあります。その問いを繰り返すうちに、「直属の上司」という肩書の相手に、私が大嫌いだった教師の姿と重ねていることに気が付きました。「教師=直属の上司=自分を押さえつけるもの」というイメージが重なった時、私は上司とうまくいかなくなっていたのです。直属の上司にとって、大迷惑な話ですよね。私の「べき」や凝り固まった考えが、上司に対しての怒りとなっていたのですから、怒りをぶつけられた上司は納得できるはずもなかったと思います。

■「べき」以外のいろいろな考えに触れる、受け止める

自分のべきや価値観を、否定することはありません。ですが、その価値や考え方に縛られて、あなた自身が生きにくい思いをしているのなら、その考えの枠を広げたほうが楽になります。

そのためには、同じ出来事や事件について、周囲の人の考えや意見を聞いてみるのも一つの方法です。その時の注意点は、たった2つ。

○相手の言葉を否定しない
○相手の言葉を受け止める

ことです。

同じ出来事でも、受け取り方は人それぞれで、温度差も違います。まずは、そのことを丸ごと受け止めます、そのうえで、自分とどこが違って、どこが同じなのかを考えます。そしてこの過程でのポイントは、「無理に受け入れることはしない」ことです。同じものを見ているのに、同じ部分と違う部分がある。人によって物をとらえる角度が違う。そのことに気が付くことが大切なのであって、「自分もそう考えるようにしなければ」「こういう考え方もあると受け入れなければ」と考えることが、あなたの「べき」になります。違いがあることを受け止めるだけで、十分あなたの中には変化が起こり、考え方の幅が広がっています。

そして、その繰り返しの中で、さまざまな考え方があることを、自然と受け止められるようになり、人間関係での些細な意見の相違や相手の行動に、イライラせずに対処できる自分に代わっていきます。また、自分と相手との違いを受け止めることは、「自分が悪い」「相手が悪い」という「YES-NO」式で回答する考え方からも自由になれます。

まとめ

いかがでしたか?知らずに身についてしまっている自分の「べき」。その考え方や価値観に縛られて、あなた自身が苦しい時は、「何が」あなたを縛っているのか、その理由を探してみましょう。一人では難しい時は、カウンセラーなどの力を借りることもおすすめです。自分だけでは気が付かないことも、引き出させるようにサポートしてくれるはずです。自分らしく、生きるために、「べき」から自由になりたいですね。

ライター:村松まみ(メンタルコーチ・カウンセラー)

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