1990年群馬大学医学部卒、1990年群馬大学医学部附属病院 医員(研修医)、2002年オランダ・エラスムスメディカルセンター泌尿器科研究員、2004年群馬大学大学院医学系研究科泌尿器科学講師、2005年群馬大学大学院医学系研究科泌尿器科学助教授、2007年群馬大学大学院医学系研究科泌尿器科学准教授、日本泌尿器科学会専門医・指導医、2004年北関東医学界奨励賞、2006年日本泌尿器科学会学会賞受賞、2008年前立腺がん検診ガイドライン作成委員会委員
専門分野 | 前立腺がん |
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診療科目 | 泌尿器科 |
所属病院名 |
伊藤先生の勤務する群馬大学医学部付属病院では、前立腺がんをはじめとして、前立腺肥大症、前立腺炎の診断・治療をおこなっています。 前立腺がん診断については、前立腺特異抗原(PSA)値・超音波検査・直腸診所見をもとに、年齢と前立腺重量を加味した多数箇所生検によってがんの診断を行っています。がんが発見された場合には、MRS(新しい画像診断技術を併用)してより正確な病期診断を行い、個々の病状に合わせて、ホルモン療法、手術、放射線療法を単独、あるいは組み合わせておこなっています。同病院には年間約300名の新規前立腺癌患者さんが来院し、患者と医療者で適した治療を検討の上、治療を行います。前立腺全摘術は尿失禁の少ない、10日以内での短期間入院での治療を目指しています。放射線療法は、組織内照射療法(ヨード125密封小線源療法、高線量率小線源療法)が可能な施設であり、今後、重粒子線治療も導入が予定されています。切らない治療として、直腸出血などの少ないQOLを保つ治療を目指しており、全身療法としてホルモン療法に加えてタキソテールを中心とした化学療法も積極的に行っています。 前立腺肥大症治療ではレーザーによる前立腺核出術(HoLEP)を導入しました。
日本のPSA検診の普及率は低く、前立腺がんの20~30%は主に骨への転移を伴った状態で発見されます。2020年の前立腺がんによる推定死亡率は、2000年の前立腺がん死亡率に対して2.8倍になると予測されています。その対策として最も重要なのがPSA検診であり、欧州の無作為化比較対照試験で、PSA検診の前立腺がん死亡率低下効果が証明されたことから、今後はより強く推奨されるがん検診となります。
『前立腺がんPSA検診:誤解と真実1』
2008年9月22日のテレビ東京系列「主治医が見つかる診療所」で紹介され、その名前が一層知られるようになりました。